学び舎と春じじいとピーターパン
- 上の助空五郎・Soragoro Uwanosuke
- 2021年5月25日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年5月26日
2021.5.24 コロナ禍の平日

小学生の頃、学校周辺に🏫現れる「春じじい」と呼ばれるおじさんがいた。年齢や顔や職業も背格好も遠い記憶のかなたで、何となくイメージだけの存在、実際に出会った事さえもあったような無かったような、でも「春じじい」という名前だけはハッキリと覚えている。

小学生らしいなかなかのネーミングセンスだったと思う。なぜ春なのかは謎、特に季節も関係なく、昼から放課後ぐらいの時間帯に自転車でふらっと現れ、何をするわけでもなく、ただの散歩かスーパーさとうで買い物か、見物か、分からないけど、不思議な行動をする当て推量だがたぶん無職の男性、おじさんだったのだと思う。

当時世間では宮崎勤の幼女誘拐事件が大変なニュースになっていたし、田舎街では平日の昼間に散歩するような大人はいないので、そんな目立つ行動をすればすぐに不審者扱いである。

もしかしたら障害を持った方だったのかもしれない。何らかの事情で仕事を失った方だったかもしれない。ただ春じじいが何か事件を起こしたとか、小学生に危害を加えたとかいう話は一切無かった。
ただそこに居たおじさん。
上の空で小学生の頃に歩いた道を散歩しながら思った。
「今のオレ、春じじいやな」と。
なぜか嬉しい気持ちになってきた。
ミュージシャン、役者、ダンサー、芸人、ライブも舞台も人前に出る事が無ければ、はっきり言ってみな無職。毎日が面接、毎日が就職活動、毎日が創作、毎日が稽古、毎日が本番。上の空のくせに忙しい無職である。

春じじいは元気かな。今はあなたの気持ちが少し分かる気がするよ。どうか健康で幸せでありますように。
一生、子ども心を忘れませんように。ネバーランドへ行こう。



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